2020年12月29日 都会に暮らす桃太郎の話 その夜、僕は友人と待ち合わせるために駅から少し離れたバーに入り、ひとりで飲んでいた。友人にとても大事な頼み事があったのだ。僕に力を貸して欲しいと。でも待てども待てども友人はこなかった。連絡も一切ない。僕の携帯電話は頑なに沈黙を貫き、ただジャケットの内ポケ ...
2020年11月26日 ババアパン 先日、真夜中の作業中にあまりにもお腹がすいてパンを焼いて食べた。八枚切りのパンを二枚トースターで焼き、一枚はバターを、もう一枚にはイチゴのジャムを塗って食べた。それでもまだ足りなかったのでもう一枚焼いた。前に焼いた二枚と同じ時間焼いたところ、一枚だけだ ...
2020年11月15日 人魚の泡 「ねえ、何を集めているの?」と、私は尋ねた。 少年はこちらを振り向くと、口元に少しだけ笑みを浮かべながら答えた。 「人魚です」 「人魚?その汚い泡が?」 少年は道にだらしなく広がる茶色く濁った泡を両手でかき集めては、壊れやすい小さな生き物を捕まえる時の ...
2020年11月14日 おしりのしおり 「またここからはじめたいの」 彼女はそう言うと枕もとの文庫本からしおりを抜き取り、僕のおしりの割れ目に挟んだ。そして読みかけの本を閉じるみたいに僕のおしりを手のひらでぴしゃりと叩いた。 僕はあの日からずっと待ち続けている。 本棚で眠る読みかけの本が、 ...
2020年11月02日 死んだ高校の同級生 たまに、というか結構頻繁に死んだ高校の同級生について思い出す。いつだったか忘れたが何年か前にどっかのサイクリングロードで自分の体に火をつけて死んだらしい。むちゃくちゃな死に方だ。彼とは在学中にもほぼ接点がなくほとんど話したことがなかったので、高校を卒業し ...
2020年10月22日 10/22無日記 散歩中考えていたこと流星群が来ているというからわざわざ外に出たのに、星なんかひとつも見えない。ただの深夜徘徊になってしまった。ある種の人々にとって忙しさというものは救いなんだろう。おれは金さえあればいくらでも暇でいいが、そうでない人の方があるいは多いのか ...
2020年10月14日 自分の自動運転モードがバグった話 なんかいろんなこと考えながら作業すると脳メモリがいっぱいになってやべえムーブかましちゃう時ってありますよね。お肉はおいしかったです。しおひがり ...
2020年10月07日 数年悩まされていた頭痛がよくなった話 こんにちは。しおひがりです。ぼくはここ数年、頭痛に悩まされています。だいたい月に3日~5日程度痛みが続き、ひどい日は丸一日ベッドの上から動けなくなってしまいます。市販の頭痛薬も効き目が悪いです。昔はそんなことなかったので原因もよくわからず、さらにここ最近痛 ...